だれもが知っているように、苦痛とタトゥーは常に互いに関連付けられる。インクを入れる過程の部分が、繰り返し皮膚を刺す多数の針の痛みに耐えて、意味を持った芸術作品を常に身に付けることになるのである。ある文化では、タトゥー(とそれを入れることに伴う痛み)は、部族あるいはコミュニティにおける通過儀礼、あるいはランクや地位のシンボルである。歴史を通して、タトゥーと痛みは常に一心同体である。
今日、現代の技術のおかげで、タトゥーを入れるのにかなり痛みを軽減されているようであるが、それでも近所のタトゥーパーラーを訪問する時は、常にある程度の痛みを覚悟することになる。多くのタトゥー狂信者にとっては、インクを入れることに伴う痛みが一連の経験をより価値のあるものとしている。考えてみると、痛みを伴わないタトゥーを入れることは、肌に永久的なステッカーを貼るようなものであり、何も特別なことではない。本気でタトゥーを入れるなら、痛みを喜んで受け入れなければならない。
しかし痛みは相対的なものである。ある人の痛みの境界は、別の人とは異なっている。多くの女性は出産を経験しているので、より痛みに耐えることができと言われているが、ほとんどの男性は、男性も同様に耐えることができると主張する。意見は様々である。但し、医学的、生理学的な観点から、人体のある部分は他の部分よりも痛みを感じにくく、よってちょうど初めてタトゥーを入れる人々に薦められる部分である。
それでも人によって痛みの感じ方が異なることを覚えておかなければならない。あなたにとっては耐え難いほどの痛みであるかもしれないものが、別の人にとってはただのチクッと刺す程度であることもある。逆に、他の人々がナイフで刺されるように感じるものも、あなたにとっては小さい蟻に咬まれる程度かもしれない。科学的だけでなく、世論においてもタトゥーを入れるのに最も痛みの少ない身体部分は、以下の4カ所である:
それが上椀であろうが前腕であろうが、これが体の中でタトゥーを入れるのに最も痛みの少ない箇所であるとほとんどの人が同意する。新しい入れ墨を堂々と見せるのに最適な部分であるだけでなく、体の中で比較的皮膚が分厚い部分でもあり、痛みを吸収する筋肉が多くある。
選択肢の広い素晴らしいスリーブデザインがたくさんあり、比較的軽い痛みとつき合うだけで皮膚の広い部分をカバーできる。完全なスリーブのタトゥーを選ぶなら、ほとんどのスリーブは、肘を含め腕全体を覆うことを覚えておくことである。
肘へのタトゥーは、この部分の筋肉が比較的少ないため、より痛みを感じやすく、骨が痛みの衝撃を受けることになる。
肩は、タトゥーに関しては少し厄介な箇所である。分厚い肩の筋肉のために肩の上部では、かなり痛みを感じにくい一方、肩甲骨の上の皮膚の部分は、骨に近いために鋭利なタトゥー針からの痛みを感じやすい。
肩のタトゥーはそれ自身見栄えがするが、少し想像力を働かせればスリーブや背中のタトゥーとも組み合わせることができる。あなたが初のタトゥーを入れようとしているのであれば、職場での馬鹿げた規則のために、見えやすい腕にはしたくはない、あるいはほんの少し目立ちにくくしたいのであれば、肩のタトゥーはベストの選択である。
足の筋肉は、タトゥーをを入れることによる痛みを和らげるのに非常に効率が良い。ほとんどの人が、体の他のどの部分よりも足と太ももに多くの脂肪と筋肉を蓄えているので、これらの部分は、タトゥーを入れることから来る痛みに耐えることができる。
ただ、タトゥーのデザインが太ももの内側に達しないように気をつけなければならない。この部分は肉付きが良い傾向があるが、性感帯に近いので、痛みと快楽の両方のシグナルを脳に送る神経受容体がより多く存在する傾向にもある。なので、最高のスチームパンクやバイオメカニクスなタトゥーを太ももの外側に入れても良いが、針が太ももの内側に当たるとある程度の不快感を覚悟しておかなければならない。
ちょうど太ももの筋肉のように、足とふくらはぎの筋肉は痛みを吸収するのに優れている。針が向こうずね骨の上の皮膚の部分に刺さり始めると、少し不快を感じるかもしれないが、その他の下腿部分の痛みは耐えられるだろう。
実際、足のスリーブは腕のスリーブと同じくらいだんだんと人気となっている。少し痛みを感じるが、足首までタトゥーを入れることができるが、そこから更に下の足の甲にタトゥーを入れると、この部分にかなりの痛みを感じることを覚悟しなければならない。
タトゥーの経験があまりなければ、膝の部分もまた筋肉量が少なく、骨により痛みが伝わるのでこの部分も避けたい。
タトゥーをはじめて入れる人が、避けるべき体の箇所は胸、膝と首の部分である。前述の部分にタトゥーを入れる痛みを乗り越えたと感じるならば、自由に体の他の部分を探求するとよい。結局、痛みはプロセスの一部である。
痛み無ければ、利益無し。痛みへの許容範囲は、人それぞれであり、友人が足の下部にタトゥーを入れて痛みを感じなかったと言っても、あなたも痛みを感じないとも限らない。そういう時には、タトゥーアーティストからアドバイスをもらうことである。あなたの痛みの許容範囲を元に、体のどの部分がより痛みを感じるか、常に誰よりも適切に教えてくれるだろう。